船三昧な一日


2004年5月29日、晴れ渡る空の下、横浜の開港祭に行って来ました。
友人から連絡もらった当初のお目当ては日本丸のセイルドリルだったんですが、さすが港湾都市横浜だけあって
思わぬお客さんに会うことができました。


まずは日本丸のセイルドリルです。
現在の日本丸は2代目で初代の日本丸は同じ横浜のランドマークタワー前に保存されています。
普段は練習生達を乗せて実習航海に出ていますが、今日は開港祭のために帰港したみたいです。
<複雑な帆綱群>
<タグボートも出動>
セイルドリルとは実際の航海を模して帆を張るイベントです。
日本丸はエンジンも積んでいますが、無論帆船ですから帆を張ると風を受けて動き出してしまいます。
それを防ぐためにタグボートが岸壁に船体を押し付けています。
<裸足でマストに登る>
<怖ぇ〜>
帆を張る準備のためにマストに上っていく練習生達は命綱無しの裸足です。
メインマスト最上部は50メートルもあるそうなので、サーカス顔負けの軽業です。
小さくて写真では見辛いですが、ほんとに命綱無しでヤードの先っちょで作業してます。
女の子も二人ほど乗り込んでいて、やはり裸足でするするとマストに登っていました。
いや、なんとも信じがたい光景でした。船乗りとはかくも過酷な商売なのでしょうか?

<風向きも悪かった>
おそらく教官と思われる人物が、なぜか関西弁の妙にのんびりした調子で実況解説をしてくれました。
風が強くて危険だということで本日のセイルドリルは満帆というわけにいかず、割と中途半端な感じ。
でもやっぱり風をはらんだ白亜の姿はとても美しくて、帆船は帆を張ってなんぼだなあと実感しました。

<ビル?>
上ばかり見上げていい加減首が痛くなったところで、セイルドリルは完了。
ところで大桟橋のほうに見えているあのでっかいビルって前からあったかなあ....と思ったら
どうもあれも船みたいです。

<凄い人混み。船なら沈んでます>
大桟橋はものすごい人でごった返していました。
どうやら巨大クルーズ船「サファイアプリンセス」が寄港している模様です。
バミューダ船籍(建造は三菱重工長崎造船所)、全長290m、11万6千トン。
ちょうどランドマークタワー(高さ296m)を横倒しにしたくらいの巨体はどうみてもマンションか
デパートです。
ぜんぜん船には見えません。
<でっかい尻>
あとで調べたら日本造船史上最大の客船だとのこと。
船には見慣れたはずの浜っこも「凄いねえ大きいねえ」を連発していました。

<救命艇>
<比較>
だいたい横にぶら下がってる救命艇がそのへんのクルーザーくらいあります。
桟橋の隣に停泊している「飛鳥」(2万8千トン)は日本国籍最大の客船の筈なんですが
隣のサファイアプリンセスがでか過ぎて普通のフェリーにしか見えません。

<フジサンケイのヘリみたいですね>
テレビ局とか取材のヘリなんかも現れました。
なんかすごい騒ぎになってます。

<ようやく船首にたどり着いた>
<お見送り。黒い米粒みたいなのが船客です>
そうこうしているうちに出港の時間が来たようです。
横浜市の和太鼓が鳴り響く中、ほんとに動くのかなあと思っていた巨体が静かに動き始めました。
「ブオーーーッ」隣の飛鳥が見送りの汽笛を鳴らします。サファイアプリンセスも汽笛でこれに応えます。
紙テープこそ舞っていませんが、船出というのはなかなか感動的なものですね。
こんなにでかい船なら感動もなお更。

<優雅な船出>
いつかあんな船で優雅な船旅を楽しめたらなあ...と思いながら、帰りは電車で居眠りして舟漕いでました。
夢のまた夢です。


おまけ

ちょっとアレな看板。
「海には魔物が棲んでいる」からでしょうか。


(2004年5月)


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